留添(とめそえ)_雅の醪仕込編(4日目)

留仕込み1日目を迎えた雅の醪仕込です。
ふつうは留仕込みをした1日目を起算して、醪(もろみ)の仕込み経過を観察していきます。

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醪の仕込の場合、添・仲・留の各段階で、仕込配合や仕込温度を細かくコントロールしています。ここで酒質が決まるといっても過言ではありません。

逆に添・仲・留の仕込が終わると、あとは温度コントロールくらいしか制御が利かないということです。(昔は櫂入れをすればある程度コントロールもできていたそうですが、今のようなタンクの大きさではさほど影響しないそうです。)

なので、添・仲・留の仕込配合や仕込温度をきちんと制御することが大切です。

そのため、杜氏が思い描く酒質へと導くよう、この温度制御盤で、杜氏が自ら温度を設定することがあるのだということです。

 

とろこで、今日は師走。嘉宝蔵でも新年を迎える準備が進んでいます。

蔵の入り口に飾る注連縄も、あたらしいものを準備万端。

新しい注連縄
新しい注連縄

蔵の中では休みも正月も関係なく、明日も当たり前のように仕込みが続きますが、ほんのひととき、正月の雰囲気を味わえる、師走の嘉宝蔵でした。

蔵のみなさん、今年もお世話になりました。取材でおじゃまばかりしてすいません。
皆様、佳いお年をお迎え下さい。

仲添(なかそえ)_雅の醪仕込編(3日目)

雅の醪(3日目)の様子

雅の醪(3日目)の様子

雅の醪仕込も今日で3日目となりました。今日は仲添(なかそえ)仕込の日です。

以前申しましたように、醪(もろみ)は初添(はつそえ;単に添ともいう)・仲添(なかそえ)・留添(とめそえ)という、3段階の増量過程を経ます。

このなかで、仲添(単に仲ともいう)というステップは、最初の添タンクからもっと大きな容量のタンクへと場所を移動させます。

最終的には酒母の13倍量ともなる醪醗酵なのですが、最初から大きなタンクで仕込むと温度コントロールが難しいため、このように増量のステップに応じてタンクの大きさを変えます。(嘉宝蔵では仲と留の仕込以降は、タンク移動はいたしません。)

醪タンクの中の様子

醪タンクの中の様子

今朝、タンクの中に米・米麹・水が適温に調整された後、投入されました。

今、温度計にて品温を測定中です。(中にみえるのが温度計です)

 

 

 

 

この後、寸を計ります。寸とは、タンクの水準を測ることをいいます。正しく目的の容量が仕込まれたかどうか、きちんと計測せねばなりません。

タンクの寸を測っているところ

タンクの寸を測っているところ

木の湿った部分の目盛りを読みます。

木の湿った部分の目盛りを読みます。

雅の醪タンクのある醗酵室では、担当の岡坂さんがタンクの寸を測っていました。こうやって乾いた木製のメジャーを使い、濡れている部分(タンクの上面)までの高さを測ります。木の湿った部分の目盛りを読みます。

醗酵室の岡坂さん

醗酵室の岡坂さん

これを醗酵室の責任者でもある戸出副杜氏に知らせ、戸出さんがきちんと記録していきます。

踊(おどり)_雅の醪仕込編(2日目)

醪発酵では、昨日紹介した添仕込から仲仕込へとスケールアップする前に、1日休ませる期間を設けます。
これを踊(おどり)といいます。

では、なぜ踊が必要なのか? 

一説には酒母の状態から休みなく段仕込を繰り返すと、その後の酵母の増殖が緩慢になってしまう、あるいは希釈により酵母優位の状態が崩れると雑菌汚染の危険にさらされやすくなることなどがいわれています。おそらく酒母の末期、酵母は増殖から休眠状態になっていたものがいきなり新鮮な栄養分が加えられ増殖へとスイッチを切り替える際に、酵母に環境への順応に要する時間(=踊)を持たせたのではないかと思うのですが、・・・。

ともかく、いったん増量したら(添)、酵母の調子を整えてから再びスケールアップをした方が(その後の仕込経過が)よいということを経験的に体得した先人の知恵だと思います。

またこの踊の時期の状貌がその後の醪醗酵の成否を占う指標となります。筋泡といって直線的に並んだ泡が2,3本見えるのがふつうとされ、泡が全体を覆うようであると湧進み(醗酵が急すぎる)型として判断されます。その後の仕込温度や投入する麹や蒸し米の条件などを検討するための判断材料として、踊の際の状貌も大事なチェックポイントのひとつです。

 

 ところで、昨日は嘉宝蔵の中で、恒例の餅つきが行われました。

蒸した餅米

蒸した餅米

 蒸し器でしっかりと蒸された餅米を扱う手つきは、さすが釜場の人たちです。手慣れたもんです。

餅つき(谷口さん)

餅つき(谷口さん)

嘉宝蔵では正月を迎えるにあたって、神棚にお供えする鏡餅や、蔵で働く人たちのために、毎年この時期にお餅をつきます。

手拍子をとる松本さん

手拍子をとる松本さん

 松本さんの名調子で音頭をとります。釜場での餅つきは終始なごやかな雰囲気で行われました。

大きな手で丸めます。

大きな手で丸めます。

 餅がつき終わったら、男たちの手によって、手際良く(?)ちぎって丸められます。

丸餅の完成です。

丸餅の完成です。

今年の新人、長谷川君は嘉宝蔵での餅つきは初体験。なので、みんながてほどきを。

餅つき初体験の長谷川君。

餅つき初体験の長谷川君。

松本さんのてほどき

松本さんのてほどき

 「杵の重さだけで搗くんよ、ほれ、え~いコラっさ!」

きなこ餅もいただきました。
きなこ餅もいただきました。

きなこ餅も作って、みんなで搗きたてのお餅をいただきました。

私も御相伴に与りましたが、やっぱり搗きたてのお餅はやわらかくておいしいですね!
こんな感じで、忙しいなか、楽しい行事も行われている嘉宝蔵でした。