夜の嘉宝蔵。

醪分析用の漏斗

醪分析用の漏斗

夜の嘉宝蔵は、たいへん静かです。

蔵の中では、醪の泡が弾ける音と、ポンプのモーター音だけが響いています。

蛍光灯が点いていると安心しますが、ちょっと脇道に反れ、見まわすと辺りは真っ暗。蔵内の慣れた道順を歩くのですら、なんだか不安になります・・・。

醪タンクに近づくと、脇になにやら見慣れないものが置いてあります。

これは醪の醗酵が順調に進んでいるかどうかを分析するために、醪の一部分をサンプリングし、粗漉しするのに使う”漏斗”のようです。

これで漉しとられたサンプルは、分析室に持ち込まれ、様々な分析にかけられます。たとえば酸度やアミノ酸度、日本酒度、直糖、酵母数、純度判定・・・。

これらの分析結果が醗酵を引っ張るか、止めるかといった重要な決断の為の判断材料となりますので、非常に重要です。

分析担当の森田さん

分析担当の森田さん

ちょうど嘉宝蔵の分析室では、嘉宝蔵の分析担当、森田さんが今日の醪の分析データをまとめていました。

夜遅くまでお仕事おつかれさまです。

蔵での仕事は夜から明け方までがむしろ仕事の中心となっているそうなのですが、なかなか取材ができていないのが現状です。

 

 

 

 

思いきって泊り込んでみようかと、思ったりもしますが

夜の嘉宝蔵(ネオンが灯る)

夜の嘉宝蔵(ネオンが灯る)

(蔵で働く現場の人たちの苦労に比べれば、大したことではないのでしょうが)、泊り込みで24時間のロケはちとツライかなと思ってみたり・・・。

 

ところで、いつもはこんな感じでライトアップされている、”菊正宗”の広告塔ですが、今日は「4都市合同ライトダウン」の一環で嘉宝蔵にあるこのネオンも消灯されます。

これは平成21年7月1日開催の関西4都市市長会議において締結された「関西4都市による包括連携に関する協定書」に基づき、地球温暖化防止に向けた取組を行うものだそうで、
京都市・大阪市・堺市・神戸市の4都市において平成22年2月1日(省エネの日)午後7時~8時にライトダウンを行います。

くわしくは、こちらをご覧ください。

しぼりたての雅を唎酒(ききしゅ)。

昨日から搾りはじめて、今朝早くに絞り終えたばかりの雅の原酒。

雅のしぼりたての試飲

雅のしぼりたての試飲

実は上槽の現場に立ち会えず、搾っている様子を撮影できませんでした(すみません)。
でも、後から行くと、小島のおやっさんが特別に唎酒(ききしゅ)用のお酒を採っておいてくださいました。
(本当にありがとうございます。)

杜氏室前にて、おそるおそる口に近づけていきます。

“鮮烈な香りが鼻腔をくぐりぬけ”

“口に含むと、荒々しい酸味が舌を覆い”

“(アルコール度数が20%近くある)原酒なのに、きつくなく、むしろ喉をす~っと伝わっていく感じ。”

“すると、口腔内全体が押されるような感覚がきて、それがすっと引いていく。”

“また飲みたくなる・・・” 正直、今まで体験したことが無い感覚です。

— ついつい「もう一杯!」、といってしまいますねぇ。—

「雅の搾りたては”ひとり歩きする”さかい、あぶない危ない。」と、小島のおやっさんが笑いながら言ってました。
口当たりの良さからついつい飲み過ぎてしまうことへの戒めなんだとか。気をつけなければ(笑)

(ごちそうさまでした。)

(ごちそうさまでした。)

 
この原酒が今から蔵内にある貯酒タンクの中で約半年間の熟成を経て、
荒々しさがとれ、味ののった「秋晴れの酒」となって嘉宝蔵から旅立つのです。

なんとも楽しみですね。

おもえば、先月の12月1日より生酛の造りで約4週間、
さらに醪醗酵に約2週間、
合計46日の期間をかけてようやく醗酵過程が終了するわけですが、
これを定点観測でおいかけてみてきづいたことは、平凡かもしれませんが、
お酒を造るということに、これだけの時間がかかるのか」ということと、
これだけもの人の手が加わらなければ、お酒はできないのか」ということです。

酒造りが「神秘のベールに包まれている」というイメージを与えるので、酒造りを秘匿することがプラスに働くという人もいますが、
取材を通して、酒造りが身近でないことのほうがむしろマイナスに働いているのではないかと思いました。
これだけの期間と、これだけの手間ひまをかけて日本酒というものがつくられているということを、

いったいどれだけの日本人が知っているのだろうか?と、ちょっとおおげさですがそれくらい痛感した1ヶ月半でした。

もちろん、微生物による醗酵は雑菌汚染のリスクがつきまといますので、蔵への出入りを自由にするのはダメですが、
こうやってWEBの世界で、少しでも「酒は人が造っている。」ということを見ていただき、もっと身近に感じていただけたらいいなと思った一日でした。

雅の仕込、終了。

雅の留仕込(最終日)
雅の留仕込(最終日)

本日、雅の仕込が終了し、上槽(酒と酒粕に分離する工程)が行われます。予定より早かったようで、これで醗酵室への取材も最後となりました。

これでようやく雅(みやび)が”お酒”となっていくのかと思うと、(別に造りに携わったわけではないのですが)感慨深いものがあります。

ちょっとさみしい・・・、と思うのは私だけでしょうか。

ともあれ、今日の搾り作業で明日朝には原酒ができあがるのでしょう。ぜひ一口味わってみたいものです。(笑)