日本酒と健康 .

適量飲酒が心筋梗塞のリスクを下げる?!

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◆アルコールと死亡率のJ字型曲線とは

近年日本では、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患が増加傾向にあります。
以前より欧州諸国で高頻度に見られていた心疾患の死亡率は、特に動物性脂肪の大量摂取に関連があるとされ、実際に両者の間に関係を認めた報告が数多くされています。
その一方で、適量の飲酒が虚血性心疾患の発症を抑えている、という有益な研究が続々と報告されています。
  図3 飲酒量と死亡率のJ字型曲線中でもよく知られているのが、英国のマーモット博士ら(1981)による「アルコールと死亡率のJ字型曲線」と題した研究発表で、40〜64歳の男性1422人を対象にアンケートを行い、その後10年にわたって彼らの死亡統計を取って検討を行ったもの。彼らの飲酒量と総死亡率(全ての死因の死亡)及び心血管系死亡率との間には、図3のようなJ字型曲線 − 死亡率は非飲酒者が最も高く、中等量(日本酒換算で0.4〜1.5合)や大量飲酒者は高くないという結果−が表れ、大きな関心を集めました。
米国でも、生活習慣(飲酒や喫煙など)の情報が得られている男女5209人を対象に、アルコール消費量と冠動脈性心疾患死亡率との関連性を調査(フラミンガム研究)。やはり飲酒量と心疾患の推定死亡率との間にJ字型曲線が表れました。ただ同時に、スピリッツ(ブランデー、ウイスキー等の蒸留酒)の効果はビールやワイン等醸造酒の5%程度に過ぎない、という結果も出ています。

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◆赤ワインブームを呼んだフレンチ・パラドックス

また赤ワイン消費量が世界一のフランス人は、世界的にも動物性脂肪の摂取量が多いにも関わらず、冠動脈性心疾患の死亡率が他国より低いという「フレンチ・パラドックス(フランス人の逆説)」がフランスのルノー博士によって報告され、世界的赤ワインブームを引き起こしたことも記憶に新しいところです。
ちなみに博士らの報告によると、フランス東部に住む中年男性34,000人のうち、一日に2〜3杯のワインを飲んでいた人の死亡率は、心臓病で35%、がんで18〜24%、全体の死亡で見ると30%も低くなっていました。ただし一日4杯以上ではがんや肝臓病のリスクが高まり、死亡率が上昇するとも警告しています。
そしてこれらに続く形で、“適量飲酒は心疾患の防止に有効である”という説を裏付ける研究成果が、最近10年程の間に続々と発表されています。

滝澤先生の「1日2合 日本酒いきいき健康法」につきましては、予め著者および出版社より当ホームページへの転載の許可を得ております。
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