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| お米に麹菌(こうじきん)を育てた米こうじ。 アミラーゼという酵素で米のでんぷんを分解する。これが酒造りの第一歩なんだ |
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| (葉田) 常務、おはようございます! | ||||||||||||||||
| (原) はい、おはよう。 | ||||||||||||||||
| (葉田) ところで常務、質問があるのですが・・・。 | ||||||||||||||||
| (葉田) 昨日、お酒屋さんに行って「昔ながらの純米酒」を買ってきたんですが、原材料のところに「米・米こうじ」って書いてあったんです。ところで、「米こうじ(米麹)」って何ですか? |
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| (原) おいおい、米こうじを知らないのかね。よろしい、こちらに来てみなさい。 ほら、これが米こうじ(写真1)だよ。さわってみなさい。 |
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| (葉田) わあ、お米よりも白くて、さらさらしていますね。でも、この米こうじってどうやって造るんですか? | ||||||||||||||||
| (原) 蒸したお米(通常の玄米の外側を3割程度削った白米)に麹(こうじ)菌を生やして作るのだよ。昔から酒造りは一麹(こうじ)、二もと(酒母)、三造り(醪(もろみ))と言って、この米こうじをきちんと作ることが、酒造りで最も重要で難しいとされているんだよ。ちょっと食べてみなさい。 | ||||||||||||||||
| (葉田) 甘い。 | ||||||||||||||||
| (原) そう、この甘いのが大切なんだ。麹(こうじ)菌は蒸したお米に生えるとき、アミラーゼという酵素を分泌するんだよ。この酵素によって、でんぷんは分解されてブドウ糖になるんだ。 | ||||||||||||||||
| (葉田) お米のでんぷんが分解されてブドウ糖になっているから米こうじは甘いんですね。ところで、何のために米こうじはお酒造りに使われるんですか? | ||||||||||||||||
| (原) アルコールは酵母菌によって作られることは知っているよね。 | ||||||||||||||||
| (葉田) はい。 | ||||||||||||||||
| (原) 日本酒はお米から造られるのだけど、酵母菌はお米のでんぷんから直接アルコールを作ることは出来ないんだ。そこで、日本酒造りでは米こうじのアミラーゼを使ってお米のでんぷんをブドウ糖に分解してから酵母によってアルコールを作っているんだ。(図1) | ||||||||||||||||
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| (葉田) なるほど。米こうじのアミラーゼという酵素は米の中のでんぷんからぶどう糖をつくるのに必要なんですね。じゃあ、麹(こうじ)菌はアミラーゼ以外の酵素はつくらないのですか? | ||||||||||||||||
| 米こうじはアミラーゼをつくるだけではない。 プロテアーゼという酵素がつくるアミノ酸、ペプチドとは |
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| (原) 麹(こうじ)菌はアミラーゼ以外にも色々な酵素をつくってくれる。例えばプロテアーゼという酵素は米の中のタンパク質を分解してくれる。 | ||||||||||||||||
| (葉田) タンパク質が分解されるとどうなるのですか? | ||||||||||||||||
| (原) タンパク質というのは色々なアミノ酸がつながったもので、これが分解されるといろんな種類のアミノ酸やペプチド(2〜6個のアミノ酸がつながったもの)というものができる。(図2)アミノ酸やペプチドは酵母の増殖に必要だし、また、お酒の旨味やコク味の重要な成分にもなっているんだ。この他にも麹(こうじ)菌はたくさんの酵素をつくってくれるが、その中には現在ですら明らかになっていない酵素もある。自然の生物というのはなかなか奥深いものだな。 | ||||||||||||||||
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| (葉田) 米こうじの酵素によって米の中のでんぷんやタンパク質が分解されて酒づくりがスタートすることがわかりました。それじゃあ、アミラーゼやプロテアーゼなどの酵素剤を使えば手間のかかる麹(こうじ)造りをしなくてもお酒ができるんじゃないですか? | ||||||||||||||||
| 米こうじの絶妙の酵素バランスの秘訣とは・・・。 酒造りのために選び抜かれた麹菌にある。 |
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| (原) 確かにアミラーゼやプロテアーゼは米のでんぷんやタンパク質を分解するのに必要でこれがなければ酒造りはできないが、かといってたくさんあればいいというものではない。美味しい酒を造るためには、それぞれがほどよく、バランスよく存在しないといけないんだ。その点、米こうじは申し分ない。だって現在、こうじ造りに使われている麹(こうじ)菌は、長年の間、酒造りのために最も適したものとして選ばれてきたものなんだから・・・。もっとも酵素バランスのよい米こうじをつくるのも簡単ではない。そこに酒造りのむずかしさやおもしろさがあるのだよ。これについてはまた別の機会に触れるとしよう。(→酒造好適米の項へ) | ||||||||||||||||
| (葉田) 米こうじの酵素とそのバランスがおいしいお酒を造るのに重要なんですね。 | ||||||||||||||||
| 米こうじが大切なのは酵素をつくることだけではない。 日本酒に味の深みを生み出す米こうじ。 |
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| (原) 米こうじの役割はまだ他にもある。麹(こうじ)菌が造ったビタミン類は酵母の生育に必須だし、日本酒らしい風味も米こうじに由来するところが大きいんだ。 例えていうならば、・・・甘酒って知っているかな。 | ||||||||||||||||
| (葉田) はい。スーパーで甘酒用の米こうじを売っているのをみたことがあります。 | ||||||||||||||||
| (原)甘酒を造ってみればこうじの風味がよくわかるよ。甘いだけなら砂糖水を飲めばいいというものだが、それではとても飲めたものではないだろう。やはり麹(こうじ)菌が作り出す「風味」が「甘さ」と一体となるから美味しいんだ。酒造りも同じなんだよ。米こうじの風味があるから日本酒らしくて美味しいんだよ。酵素剤を使っていくら米を溶かしても酒にはなるが、この風味は出ないんだ。 | ※酒粕を使って作る甘酒とは異なります。 | |||||||||||||||
| (葉田) ふうん。米こうじってお酒造りにとってとっても大切なことがわかりました。 | ||||||||||||||||
| 米こうじの恩恵は酒造りだけではなかった。 米こうじの生み出す健康増進成分とは。 |
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| (原) でも米こうじは酒造りにとって重要なだけではなく、結果的にはわれわれ人間にとって有効な成分も作り出してくれるんだ。例えば、GABA(ギャバ:血圧降下作用)、α-エチルグルコシド(体重増加抑制効果)、それからさきほどお話したペプチド(血圧降下作用、ボケ防止)などは全て日本酒をつくるときに「こうじ」の酵素の恩恵で出来るものばかりだ。(詳しくはこちら) | ※GABA(ギャバ:γ-アミノ酪酸) 広く天然界に存在するアミノ酸の一種で、人などのほ乳動物の小脳などに存在し、抑制性神経伝達物質として働いています。 |
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| (葉田) こうじって、酒造りに対しても人に対しても有効な成分を作り出すなんてすごいですね。 | ||||||||||||||||
| (原) そのとおり。だから、キクマサでは米こうじを大切に使って酒を造っているんだ。こうすることによって、ただ辛いだけじゃない押し味(ピンとしまる後味、喉ごしの良い味)や旨味のバランスが取れた辛口の菊正宗ができるんだよ。 | ||||||||||||||||
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| というわけで、今日は「おいしさの秘密は麹(こうじ)」についてご紹介させていただきました。もし今回の記事について、ご意見、ご感想等がございましたら、菊正宗ホームページ作成係までE-mail、FAXもしくはお手紙をお寄せくださいませ。お待ちいたしております。さらにもっと詳しく酒造りについて知りたい方は、当社の日本酒通信講座や日本酒ゼミナールに是非ご参加くださいますようお願い申し上げます。 | ||||||||||||||||
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