お燗研究所
研究事例 その1)温度による味の変化
2009年12月05日
「お燗研究所」っていうくらいですから、ちょっとアカデミックな話題もご紹介しておかないといけませんので、とは申しても、難しく論じてみてもしょうがないので、簡単に覚えていただけて、明日の飲み会に使える「お酒の蘊蓄」的な話題をできるだけ紹介していきたいと思います。
さて、今回紹介しますのは、「温度による味の変化」についてです。
お酒に限らず口に含むものは、舌を中心とした器官で味覚を感じるわけですが、そのときに感じる「甘い」「すっぱい」「辛い」「苦い」といった感覚は、実は温度によって感じ方が変わります。さらに、甘味、酸味は旨味に変化するといわれています。
グラフにしますと、こうなります。
つまり、
《温度による味の変化》
・甘い 体温付近が強く感じられる。それ以上では、甘味はやや弱くなりるが、
旨味の成分としてゴク味を形作る。
・塩辛い(※) 温度が下がれば強く、高くなればやわらかく感じる
※お酒の「辛口」と「塩辛い」とは違いますよ!これについてはまたの機会に。
・苦い 温度が低いときには強く、高くなると弱くなる
・酸っぱい 温度の影響は少ないが低温では爽快感を伴ってやや強く感じられ、
温度が高くなってくると旨味に変化する。
・渋い 温度が高くなると弱くなる
では、なぜ燗酒はおいしいのか? それは「燗上がり」するからです。
「燗上がり」とはどういうことかと申しますと、一般的に、乳酸やコハク酸、アミノ酸など日本酒の旨味の成分は温めることによって、旨味が増すように感じられることが知られています。すなわち、燗にすると、味が上がるということから「燗上がり」するといいます。
特に、生もとや山廃もとで造った本醸造酒や純米酒は、コハク酸や乳酸が多く含まれ、ペプチドやアミノ酸組成がバラエティに富んでいる為、このタイプのお酒は温めることによって、旨味成分がうまくバランスして美味しく感じられるようになり「燗上がり」します。
つまり、 温めることでお酒に含まれるうまみ成分がよりおいしく感じられる。そんな温度と味覚の関係がお酒をよりおいしく感じさせるわけです。
「燗上がり」の注意点:「燗上がり」は、個々のお酒の最適な旨味のバランスを創り出す温度と、飲み手の味覚(経験)の兼ね合いといえる。当社の本醸造酒の場合、50℃が絶妙のバランスになる。しかし、味覚テストを経た統計処理の話で、100%の人がそう感じるわけではない。45℃を美味しいという人、60℃を美味しいという人、「ひや」大好きの人には「燗下がり」と感じられることさえある。
お燗研究所
温めて飲む、冷やして飲む。
温度を上げ下げして楽しむ、世にも珍しい日本酒の醍醐味はお燗にあり。
そんな「お燗」に関するありとあらゆることを調べ検証しご紹介していきます。
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