未成年および妊産婦の方へ
 
こんな人は飲んじゃ駄目
こんな飲み方は駄目
お酒の効用


  1.こんな人は飲んじゃ駄目
妊産婦<妊娠中や授乳中のお母さん>
妊娠中にお酒を飲むと、胎盤を通じてアルコールが胎児にまで運ばれます。このとき、胎児性アルコール症候群(FAS)が引き起こされる可能性があります。
FASの赤ちゃんには、知能障害、発育障害、顔の異常がみられ、精神的にも情緒不安定だと言われています。どのくらいのお酒を飲むとFASが発症するのかはっきりわかっていません。しかし、飲酒の習慣のある人の赤ちゃんは体重が小さいことも多く、妊娠中のお酒は控えるにこしたことはありません。
また、母乳にもアルコールは移行し、お母さんの血液中のアルコール濃度と同じくらいになります。授乳中も、お酒を控えるのが望ましいでしょう。

未成年<二十歳未満の人>
10代は成長期でありまだ脳細胞が作られています。まだ、アルコールを分解する力も未完成のこの時期にお酒の飲むことは、大きな障害をもたらす危険性があります。それは、脳(注1)、肝臓、生殖器(注2)、精神(注3)などに悪影響を及ぼすと言われています。
したがって、日本では「未成年者飲酒禁止法」によって、二十歳未満の人の飲酒が禁じられ、飲ませないことが義務付けられているのです。

<自動車および機械の運転に従事する人>
●飲んだら乗るな、乗るなら飲むな
車よく耳にする言葉ですね。飲酒運転は道路交通法で禁止されているのですが、後を絶ちません。飲酒運転が原因の事故は、年間1,000件、死者は300人に上っているのです。しかも、その半数を二十歳代の人が占めています。死亡事故に至らなくても、大きな交通事故は起こした本人や相手だけでなく、その家族の運命まで変えてしまいます。事故で失ったものは取り戻せません。ちょっとした誘惑が、あなたの、そしてまわりの人の可能性の芽を摘み、悲しみの淵に落としてしまうとしたら、それは重大な犯罪だと思いませんか。

●飲酒が運転に与える影響
血中のアルコール濃度が0.05%以上で、事故の可能性は2倍になり、0.1%になると6〜7倍になります。これは、お酒1、2合の量に相当し、ほろ酔い初期(注5)の状態ですね。抑制が取れ、判断力が鈍っています。ハンドルさばきが乱暴になったり、スピードの出しすぎにも気づかないことになります。また、動体視力、集中力も低下しますから、信号や路上の人への見極めが後れ、とっさの対応が難しくなります。平衡感覚も鈍るので、直進運転もあやしくなります。その結果が悲惨な事故になるなんてと、気づいたときには後の祭りなのです。

●飲酒運転の代償は大きい
平成21年6月1日から、道路交通法の改正により、飲酒運転に対する罰則がさらに厳しくなりました。
酒酔い運転・・・違反点数35点《免許取り消し》、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金。
酒気帯び運転・・・3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
なお、今回の改正により酒気帯び運転の違反点数が変わりました。
呼気中のアルコール濃度が0.25mg/L以上の場合、違反点数25点《免許取消》。
同じく呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上0.25mg/L未満の場合、違反点数13点《免許停止》。
さらに、万一交通事故を起こせば、懲役や禁固刑及び罰金刑などの刑事罰が科せられます。刑事罰に加えて、賠償責任を問われ、勤め先を解雇されて、その先に家庭破滅があるとしたら・・・。
もう、あなたは飲酒運転なんてしないでしょう。



  2.こんな飲み方は駄目
一気のみ<一気のみ>
新入生歓迎会のシーズンには、毎年急性アルコール中毒で病院に運ばれ、命を落とす悲劇がなくならないそうです。
アルコールを短時間に大量に摂取すると、肝臓でのアルコールの分解(注4)が追いつかなくなります。そして、血液中のアルコールは脳に行って昏睡状態におちいり、最悪の場合は呼吸中枢が麻痺して死に至ります。
一気飲みを強制したり、無謀な飲み方をするのは大変危険なことです。ほろ酔い段階(注5)を楽しみながら飲むようにしたいものです。

<二日酔い>
二日酔いは、アセトアルデヒドやその酸化物の毒性、アルコールの脱水作用、体液の酸性化、低血糖などが複合的に働いて起こると考えられます。これは、飲みすぎたためにアルコールを分解しきれずに、体内にアルコールなどが残って起こります。
二日酔い二日酔いで頭が割れるようにいたい経験をお持ちの方もおられるでしょう。これは、アルコールの脱水作用で、脳の水分が奪われ、脳が縮んで(注1)起こります。脱水症状は体中で起こっており、体液中のナトリウムやカリウムの濃度が高くなって、のどが乾くのです。
一方、カルシウムやマグネシウム、亜鉛などの微量成分が尿とともに排出され、筋肉の収縮や血圧の調整などがうまくいかなくなり、疲労感、脱力感を感じることになります。また、アルコールを分解するために多量のビタミンB1が使われるため、ビタミン不足になります。また、お酒を飲むと低血糖になるため、肝臓や筋肉のグリコーゲンが分解され、これを補います。このようなことも、倦怠感やめまいの原因になっています。
二日酔いは、体が送る危険信号です。翌日の残らない飲み方をしましょう。そのためには、午前様は禁物、酒量も3合位にとどめることを心がけたいものです。


  3.お酒の効用
百薬の長<百薬の長>
お酒は昔から「百薬の長」といわれており、上手に飲めばさまざまの薬理効果が得られます。アルコールは、善玉コレステロール(HDL)を増やし、血管に付着する脂肪を取って、動脈硬化を防ぐ働きがあります。また、ウロキナーゼという酵素は血液の固まりを溶解する働きがありますが、アルコールによってウロキナーゼは増加します。また、アルコールには、血栓をつくるトロンボキサンAという物質を抑える働きがあります。これらのはたらきにより血栓を防ぐ効果があり、血栓症の予防になります。また、食欲増進や、ストレスの解消、利尿効果もあります。寝酒として、催眠にも利用されます。しかし、過ぎたるは及ばざるが如しといわれるように、上手に飲むことが大切です。

<適量を飲む>
「Jカーブ効果」という言葉をご存知でしょうか。全死亡率と、一日の飲酒量をグラフにすると、J型のカーブになり、少量のお酒を飲んでいるほうが、死亡率が低いのです。また、米国保健科学協議会(ACSH)の研究報告によれば、一日に日本酒に換算して1〜2合のお酒を飲む人のほうが、心臓血管疾患にかかりにくいといいます。お酒の適量は、個人によって違うことを忘れずに、上手に飲めば健康増進につながります。

<ほろ酔い(注5)を楽しむために>
お酒はほどよく飲めば、話もはずみ、リラックスしたひとときをさらに盛り上げてくれるでしょう。そのためには、(1)マイペースでゆっくり飲む、(2)食べながら飲む、(3)飲めない人に無理強いしない、(4)楽しく話しながら飲む、(5)体調の悪い日や風邪薬、痛み止めなどの薬を飲んでいるときは飲まない、(6)ほろ酔いでやめる自制心を持つ。(7)休肝日を設ける、などを守ることが大切です。

酒と料理<お酒と食事>
それぞれの国、それぞれの土地の料理と、相性の良いお酒を一緒にいただくことは、大変に楽しいものです。お酒は食欲を増進させ、料理が胃の粘膜が荒れるのを防ぎ、アルコールをゆっくり吸収させてくれます。料理を一緒に食べることで効率的に、胃でアルコールを分解(注6)することも出来ます。また、料理をいただきながら飲むことで、お酒を飲むペースも守られ、飲みすぎることも防げます。和食は、栄養のバランスや総カロリーから考えて、高脂肪ではなくビタミンも豊富で、格好の酒の肴といえるでしょう。燗酒も飲むペースをゆっくりにしてくれますから、おいしい和食をいただきながら燗酒を飲むのは、理想の飲み方といえるでしょう。


 
 <これから20歳を迎える方達に> 

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