日本酒なんでもFAQ

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日本酒の原料・副原料には何がありますか

主原料は米と水で、副原料としては醸造アルコール、糖類などがあります。

「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」とはどのような米ですか

粒が大きく心白のある軟質米で、吸水性がよく、米粒の外側は固く、内部が柔らかで、麹菌の破精込み(はぜこみ)が良く製麹しやすい米をいう。代表米は山田錦です。

代表的な酒造好適米にはどのようなものがありますか

生産量の多い順に、「山田錦」「五百万石」「美山錦」などがあります。

「山田錦」の産地はどこですか

兵庫県の西部にある播州(ばんしゅう)地区、加古川の上流にあたる山間部が産地です。当社の場合、三木市吉川(よかわ)地区に契約栽培として嘉納会を結成しております。

「山田錦」の出荷量と栽培の適地条件は何ですか

兵庫県の山田錦の出荷量は約24,422トン(平成27年産)で、作付面積は全国の約8割を占めています(兵庫県ホームページより)。土壌は粘土質で、土地柄一日の温度の寒暖差が激しいことが、良い心白米を生じる原因となっています。山田錦は稲穂が背高く栽培も難しく、手間もかかり、収量も一般米1反当り9~10俵に対し 6~7俵と非常に少ないものです。
この山田錦を専門に栽培している農家グループ「嘉納会(かのうかい:昭和2年設立)」は、現在も兵庫県三木市吉川の特A地区といわれる最も良質な山田錦のとれる地区を当社のために確保してくれています。

「心白(しんぱく)」とは何ですか、なぜ心白米がよいのですか

米粒の中にある白い部分を心白といい、その大きいもの程、酒造好適米といわれます。
心白米が良いのは麹菌の破精込み(はぜこみ)が良く、生酛が造りやすいからです。

「米麹(こめこうじ)」とは何ですか

米麹とは、蒸米に麹菌を繁殖させたものをいい、米でんぷんを糖化する働きなどをします。

日本酒醸造における麹(こうじ)菌、酵母(こうぼ)菌の役目は何ですか

麹菌は蒸米上で繁殖する時に多くの酵素をつくります。その一つであるアミラーゼがでんぷんを糖分に変える働きをします。
酵母菌は糖分をアルコールに変える働きをします。

「宮水(みやみず)」とは何ですか、どこに湧くのですか

宮水は天保時代に発見された鉄分の少ない酒造りに適した硬水で、カルシウム、リン、カリウムを多量に含んでいるのが特長です。
この宮水は、西宮神社(戎神社)の東南の一地区に湧出する水で、六甲山に源を発する戎伏流と法安寺伏流との混合によってできています。

なぜ酒造りに宮水が良いのですか

宮水は他の水にくらべて鉄分が少なくカルシウム、リン、カリウムなどが多いため酒の醗酵によく、醸造された酒は「秋栄え」「秋晴れ」といって抜群の香りを示します。宮水使用の酒は香りが断然すぐれているので、灘の大手メーカーはこれを使用しています。

宮水の含有成分を教えて下さい
ppm Fe Ca Mg K PO4
宮水 0.003 37.2 6.0 18.5 2.00
一般水 0.05 28.5 66.8 13.1 1.82

(ppmはpart per millionのことで100万分の1を意味する。水1リットル中に1ミリグラムの物質が含まれている場合1ppmという)

「硬水」と「軟水」の違いを教えて下さい

カルシウム、マグネシウムなどを多く含んだ天然水を硬水といい、これらの少ない水は軟水といいます。
宮水は硬水で、これに対し伏見の水は軟水です。

「醸造アルコール」とはどのようなアルコールですか

日本酒に用いられる醸造アルコール(エチルアルコール)はすべて酵母のアルコール醗酵によりつくられ、95%以上の濃度に蒸留された純粋なものです。
原料は主としてサトウキビ、イモ類です。
平成2年の表示基準制定までは「醸造用アルコール」と表示されていました。

「糖類」とはどのようなものですか

水あめ、ブドウ糖、粉末水あめ、および米糠(こめぬか)をろ過精製したもの(米糠糖化液)があります。
平成2年の表示基準制定までは「醸造用糖類」と表示されていました。

「米糠糖化液(こめぬかとうかえき)」とは何ですか

米の外層は中心部より蛋白質、脂肪、無機塩類などが多く、日本酒の色、味、香りに影響をあたえるため、精米した米を用いますが、この精米時に発生する白糠(精米歩合80~60%の米粉)を酵素剤で糖化させた後、活性炭素、イオン交換樹脂などを用いて高純度の糖液としてそれを米の代用として仕込に用います。
米糠糖化液を用いるとコスト面で大幅な低減が図られる他、一般に色沢、香味とも淡麗でアミノ酸の少ない酒質が得られることになります。
当社では一切使用していません。