第4巻 唎酒

唎酒の目的

唎酒をする場合、技術者・販売担当者・研究開発や企画担当者、そして消費者など、それぞれの立場や状況に応じた目的を持って行います。例えば生産管理においての唎酒では、醗酵の異常の有無や移り香に重点を置いて行い、出荷管理においては味、香りが一定の製品を出荷することを目的としています。

その他、以下のような場合が考えられます。

  • ・生産管理
  • ・出荷管理(調合等)
  • ・製品の格付け
  • ・嗜好調査
  • ・新製品の品質設計
  • ・品評会
  • ・品質審査
  • ・きき当て会

唎酒を行う際の基本条件

容器

きき猪口の内側の底には青い輪(蛇の目)が2つ描かれており、お酒の透明度を判断するのに役立ちます。きき猪口にお酒を満たすと約200ml入ります。お酒の色の影響を避けて唎酒を行う時には「アンバーグラス」と呼ばれる黄褐色に着色したグラスを用います。

部屋

北窓で直射日光の入らない、匂いのこもらない風通しの良い場所を選びます。室温は約20℃です。

お酒の温度

普通は室温より1~2℃低い常温で行いますが(冷唎酒)、市販のお酒や出荷前の製品では約50℃に燗をした「燗唎酒」も合わせて行います。