第5巻 品質管理

酸・アミノ酸・その他

日本酒に含まれる有機酸の70%以上が、もろみ中で酵母によって生産されたもので、残りは酒母や蒸米、麹に由来しています。
有機酸はお酒の酸味、旨味を作る重要な成分で、揮発酸は香りの重要な要素となっています。主なものは、コハク酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸です。
同じ日本酒度であっても酸が多いと辛く、少ないと甘く感じます。

アミノ酸

日本酒に含まれているアミノ酸は、お酒にゴク味やふくらみを与えています。
お酒の中ではアミノ酸は塩類として存在していて、これが弱い甘味、旨味、酸味や苦味となり、お酒の味を形作っています。アミノ酸が多いと雑味の多い飲みにくいお酒となり、少ない場合はきれいな薄いお酒となります。主なものはグルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、アルギニンなどです。

その他

(1)エステル
有機酸やアミノ酸とアルコールから生成する芳香のある揮発性の成分で、微量ながら香気成分として重要な役割を果たしています。吟醸酒などでは特に多く含まれ、果実様の香りを作りだしています。

(2)エキス
日本酒100mg中に含まれる不揮発性成分(主にブドウ糖)をグラム数で表したものです。