これから20歳を迎える方達に
「酒は飲んでも飲まれるな」との言葉があるように、 飲み方一つで楽しくもなればはた迷惑にもなり、
時には健康を損ねることにもつながるのがお酒です。
「二十歳になったら飲むぞ!」と張り切っておられる皆さんも、 ここにご紹介した“大人の飲み方”を心に留めて、
どうか末永く楽しくお酒とお付き合い下さい。
これからは「お酒は飲み過ぎず、ほろよいで心地よく」が大人の飲み方の極意ですよ!

 

<飲酒心得6か条>
<自分のアルコール処理能力を把握する>
<鍛えて強くなる?>
<逃げ場にしないで>


飲酒心得6か条

1.一気飲み、駆けつけ三杯はしない
「一気!」を酒席を盛り上げる唯一の手段のように考えて、掛け声上手がはやします。でも、これはほろ酔いから文字通り「一気」に泥酔状態にはいることになりかねません。毎年、一気飲みで命を落としている人がいることを忘れないように。

2.自分のペースを知って飲む
日本酒につきものなのが、お酌。若い人が日本酒を敬遠する原因の一つでしょう。お酌しないと、気の利かないやつだと言う先輩がいます。そういう人にはお酌をしても、あなたが同じペースで飲むのは良し悪しでしょう。また、あなたも、人の体調を気遣って飲めない人に無理強いしないようにしましょう。

3.食べながら飲もう
料理を食べながら飲むことで、胃が荒れるのを防ぎ、アルコールがゆっくりと小腸に送り出されて、悪酔いを防ぎます。食べながら飲むことで、ほどよいペースで飲めるでしょう。また、アルコールを分解するためにビタミンが必要ですが、料理がそれを補ってくれるでしょう。

4.楽しく話しながら飲もう
適量のお酒は心身をリラックスさせ、楽しい場を演出してくれます。大いにコミュニケーションの輪を広げましょう。話すことも、悪酔いを防ぐために効果があるようです。

5.薬と一緒に飲まない
風邪薬、痛み止めなどの薬を飲んでいるときは、飲まないようにしましょう。体がアルコールを優先して分解するために、薬が効きすぎるからです。解熱剤のアセトアミフェノンや睡眠薬、精神安定剤なども同様です。処方を受けた薬なら、お医者さんにお酒を飲んでもいいか尋ねましょう。

6.お酒に飲まれない
酔って大声でわめいたりして、酔いがさめたら覚えてないなんていうおじさん。最低ですね。酒酔い防止法(酒によって公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律)という法律もあるのですよ。それより、こんなことを続けていると、心と体の病気のもとです。節度ある飲酒ができるスマートなおじさんを目指してください。

自分のアルコール処理能力を把握する
日本人は、欧米人に比べてもともとお酒に弱い人が多いのです。アルコールの中間代謝物アセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)には、アセトアルデヒドが低濃度のときに働くALDH2と、高濃度にならないと働かないALDH1があります。
日本人のなかには、このALDH2がない人や働きの弱いALDH2しか持たない人が、約半数もいるのです。こういう人は、黒人や白人のようにお酒を飲めないのです。

自分が下戸かどうかを知っておくことは、これからお酒を飲む機会が訪れるみなさんに役立つでしょう。
簡単な判定法を紹介しましょう。まず消毒用アルコールで脱脂綿を湿らせ、ひじの内側にテープで張ります。7分たったらテープをはがし、10分後に反応を見ます。貼った部分が赤くなっていれば、あなたはALDH2を欠損しています。あなたがアルコール依存症になる危険は少ないでしょう。
でも、急性アルコール中毒にはなりやすいですから、くれぐれも一気飲みなどしないように。(このテストは、お酒を飲んでいない安静時にしてください。かなり正確に判定できますよ)

鍛えて強くなる?
飲めない人も訓練するうちに飲めるようになることがあるようです。これは、肝臓細胞のミクロゾームという器官にあるMEOSの働きだと考えられています。これは、もともと薬物を解毒する酵素で、使いすぎると肝障害を起こしやすいと言われています。ですから、体にとって良いこととはいえないでしょう。

逃げ場にしないで
「酒はうれいの玉箒(たまほうき)」という言葉があるように、お酒はストレスを発散させてくれます。適量のお酒は、緊張を取り除き、ストレス性の疾患を予防してくれる可能性があります。
しかし、現実の問題から逃れるためにお酒に頼っていると、アルコール依存症になる危険があります。お酒を飲んでいないと、不安感や不眠症に悩まされるなどということのないように。現実を見つめ、問題に立ち向かう明日のために、お酒を楽しく飲みましょう。

 <未成年および妊産婦の方へ> 

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