(注1)脳の萎縮
たくさんのお酒を飲むと、アルコールの浸透圧によって脳の中の水分が失われて、縮んでしまいます。水分を補給すれば回復するのですが、お酒を毎日飲みつづけると脳萎縮を起こす可能性が高くなります。しかも、前頭葉で起こりやすく、物忘れやうっかりミス、根気がなくなるなどの症状が出てきて、ボケの原因にもなります。

(注2)生殖器への影響
アルコールを飲みつづけていると、性ホルモンの分泌が少なくなり、女性では無月経になったり、男性では女性のように乳房が大きくなる女性化乳房や、インポテンツになることもあります。

(注3)アルコール依存症
お酒の飲み方をコントロールできない人は、既にアルコール依存症といえるでしょう。このような症状の人の多くは、意志薄弱で正しい判断が出来ず、モラルに欠けたこともしてしまいます。お酒の飲んでいる未成年ほど薬物に手を出す傾向があるという報告もあります。

(注4)アルコールの分解
アルコールは30分ほどの間に約3割が胃から吸収され、残りが1、2時間かけて小腸から吸収されます。そして、血液中に入り、門脈を通り、肝臓へと運ばれます。肝臓では、主にアルコールを分解するアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドにされ、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により酢酸になり、最終的には二酸化炭素と水にまで分解されます。1時間で完全に分解できるアルコールの量は、体重のおよそ1/10000、体重が60kgの人なら6gくらいと言われています。これは日本酒0.3合くらいですから、1合の清酒中のアルコールを分解するのに3時間かかることになります。これ以上の速さで飲むと酔ってくるのです。

(注5)酔いの6段階
段階 血中濃度 酒量 気分
第一段階 爽快期 0.02〜0.03% 日本酒1合くらい さわやか、陽気になる、やや判断鈍る
第二段階 ほろ酔い初期 0.05〜0.10% 日本酒1〜2合 ほろ酔い、抑制がとれる、脈が速くなる
第三段階 ほろ酔い極期 0.11〜0.15% 日本酒3合くらい 気が大きくなる、大声になる、ふらつく
第四段階 酩酊期 0.16〜0.30% 日本酒5合くらい 吐き気、千鳥足、呼吸が速い
第五段階 泥酔期 0.31〜0.40% 日本酒7合〜1升 意識朦朧、自分で立てない
第六段階 昏睡期 0.41〜0.50% 清酒1升以上 昏睡状態、呼吸停止

(注6)胃からアルコールを吸収する アルコールを分解するアルコール脱水素酵素(ADH)は、主に肝臓にありますが、胃にも存在します。料理を食べずに飲むと、胃を素通りして小腸にアルコールがゆくため、肝臓の負担を大きくします。また、胃の粘膜を荒らし、胃にあるADHが減って、さらに肝臓の負担を大きくします。お酒を飲むときは、料理を食べながらゆっくり楽しむのが良いでしょう。

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