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お酒の主成分であるアルコールは、酵母の発酵によって生成されますが、この酵母を大量に純粋培養する工程が「もと」です。 酒造りの“もと”になることからもと、また、お酒の母という意味合いから「酒母(しゅぼ)」とも言います。 |
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◆生もと系酒母(生もと、山廃もと等) 乳酸菌の力を借りて乳酸を生成し、手間と時間をかけて力強い優良な酵母だけを純粋に育て上げる方法です。仕込みから熟成まで約3週間かかります。 ◆速醸系酒母(速醸もと、高温糖化もと等) 名前の示す通り手間を簡略化し、乳酸を添加して短期間で造られる酒母。速醸もとは約10日間、高温糖化もとは約1週間で仕上がります。 |
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生もとは蒸米・麹・水を丹念にすり合わせる「もと摺り(もとすり)」または「山卸し(やまおろし)」という作業を行いますが、「山卸し」を省いてやや簡略化したもとを山廃もと(山卸し廃止もと)と言います。 |
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生もと系酒母では、まず乳酸菌が生育した後に酵母が生育することにより、酵母の細胞膜がアルコールに強くなります。 |
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生もとにより育まれたアルコールに強い優良な酵母は、もろみ末期の20%近い高濃度のアルコール中でも酒の品質を落とす成分を漏出せず、雑味のないきれいな酒質となります。 そして、生もとは手間・暇かけて造るため旨味成分が引き出され、淡麗でありながら深い味わいとなります。 |
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「清酒醸造にみられる酵母のエタノール耐性獲得機構」という研究テーマで菊正宗酒造(株)総合研究所 主任研究員 溝口晴彦が平成9年9月に(社)日本生物工学会「江田賞」を受賞しました。 当研究の成果により、上の図で説明したパルミチン酸を多く取り込んだ「生もとによって育まれた酵母がアルコールに強い優良な酵母である」ことが理論的にも解明され、古来伝承の技法である生もとが日本酒の品質上重要であることが学術的にも実証されました。 |
◆研究の詳しい内容につきましては、生もと大学院 博士課程へお進み下さい◆ |
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