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はじめに 他方,微生物に対するエタノールの作用標的については,さまざまの報告がされているが,2)なかでもエタノール耐性におよぼす細胞膜の役割の重要性が認識されている.3,4)清酒醸造においても,醪末期にみられる細胞成分の漏出は,清酒の品質を左右するため,細胞膜の半透膜性バリアーとしての安定性は,エタノール耐性を考える上での重要なパラメーターである. このような背景を踏まえて,清酒醸造過程における酵母の細胞膜構造の調節とエタノール耐性の発現の関連について研究を行ってきた.本総合論文では,清酒醸造にみられる酵母のエタノール耐性獲得機作を,膜構造を中心にして以下の項目にまとめることにした. 1. 生もと酵母の脂質特性, 2. リン脂質脂肪酸組成と膜透過性, 3. エタノール存在下における増殖の影響 |
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