第2巻 日本酒の原料

原料用水

日本酒の成分に占める水の割合は約80%。このことからも、酒造りにおいて水が極めて重要なことは理解して頂けるでしょう。また仕込水や割水などの原料用水だけでなく、洗米、浸漬、洗瓶など、様々な用水として仕込水の約20~30倍もの水が使われます。そのため水量の確保も重要なことです。

酒造原料としての良い水とは、濁り、汚れがなく、飲んでおいしく、水量が豊富なこと等々は当然のことですが、お酒に色をつけ、味を悪くしてしまう鉄分など、酒造りにとっての有害成分を含まないことが欠かせない要件となっています。

秋田、新潟、伏見、広島など、銘醸地と呼ばれる地区には必ず良い水が豊富に湧いています。「灘の生一本」として灘の酒が今も全国で好まれているのも、六甲山系を水源とした豊富な良水に恵まれただけでなく、鉄分が非常に少ない酒造りに最適 な水、『宮水』が発見されたことが大きな要因になっています。