ご挨拶

長年培ってきた日本酒造りの技術を活かし、人々の心と体の健康に貢献できる価値創造研究に取り組んでいます。

菊正宗の研究の歴史は、第8代当主の嘉納治郎右衛門尚義が、
明治22年、当時のお金で170円~180円を投じて
ドイツライツ社の顕微鏡を購入したことに端を発しています。
醸造家で顕微鏡を使ったのは初めてといわれていますが、種麹購入の際には、
この顕微鏡をわざわざ京都まで持って行き、研究の末、優良種を購入したとか。
当時は、旧来の仕込み方法がまだまだ一般的で、このことは「勘」の時代から
「近代醸造技術」への第一歩といえるでしょう。

現在、総合研究所では、菊正宗が江戸時代より受け継いできた伝承の酒造技術である
「生酛」に科学的なメスを入れ、清酒の研究開発だけでなく、
食品、化粧品など幅広い分野でオールドバイオからニューバイオへ向けた取り組みを行う一方、
「樽酒」を中心に食との相性に関する研究にも力を入れています。

これからも長年培った発酵技術を核とし、
豊かで健やかな暮らしに貢献するための価値創造研究に取り組んで行きたいと考えています。