
樽酒をハレの日に飲む特別なお酒だと思っている方も多いのでは?
樽酒は江戸の時代から多くの人に愛されてきた、日常のお酒です。自然が育てた杉の恵みと人の技術でつくったうまい酒の融合。
日本で生まれ、育まれてきた”ニッポンの酒”である樽酒を、今こそ飲んでみませんか。
樽酒とはなにか?を問うと、多くの方は「樽に入った日本酒」と答えるのではないでしょうか。そして、イメージするのは鏡開き……。もちろん間違ってはいませんが、それは樽酒のひとつの姿でしかありません。
そもそも、樽酒とは“木製の樽で貯蔵し、木香がついた清酒”。要は、日本酒を樽で寝かすことで樽の原料である吉野杉の木のさわやかな香りや成分がお酒に移り、元のお酒においしさをプラスするということ。樽の力が、うまい日本酒をさらに美味しくしてくれるのです。
木製の樽で貯蔵することで
びん詰めの日本酒にはない味わいに
樽酒の特長はなんといっても、香り。生酛でつくられた日本酒の芳醇な香りに、吉野杉の清々しい木香がかけ合わさることで、濃密でありながら爽快な独自の芳香をまといます。また、樽の中で寝かすことでまろやかさが増し、濃密で口当たりのいいお酒になる。「樽酒には辛口の日本酒が合う」といわれますが、辛口の軽快さに香りとコクが加わった絶妙なバランスは、”樽酒でしか”味わえないのです。
近年は日本酒の種類がどんどん増えており、それぞれが個性を持っていますが、樽酒だけが持つ唯一無二の味わいに魅せられる方も多く、「この酒でないと」という熱狂的なファンもいます。また、香りを楽しみつつ軽やかに飲めることから、日本酒になじみの少ない女性や若者の日本酒入門としても親しみやすい、日本酒通から初心者まで、それぞれの楽しみ方ができる懐の深さも樽酒の魅力です。
樽から直接注ぎ味わう樽酒は
贅沢な日本酒の飲み方
樽酒は大きく分けて、木の樽に詰めたまま出荷される「樽詰酒」とびんに詰め替えられる「樽酒びん詰(樽びん)」があります。樽酒なのに、びん詰め?と疑問に思われるかもしれませんが、本物の杉樽で寝かし、清々しい香りをまとわせたお酒のうまさは、樽のままでも、びんに詰めても変わりません。
ところで、この樽びんはご家庭でも手軽に楽しめるお酒であることをご存じでしょうか。ラインナップも豊富で、720mLや300mLなど飲み切りやすい容量で店頭に並んでいます。また、独自の旨味は多彩なジャンルの料理と調和することができ、毎日食べている家庭料理との相性もいい。実はお家で楽しむのにぴったりなお酒なのです。
現在は家庭でも簡単に
樽酒を楽しむことができる