第1巻 日本酒の作り方

洗米・浸漬・水切り

玄米を精米することによって得られた白米は、蒸してから酒造りに使いますが、その前に水洗いして、表面の糠(ぬか)やゴミなどを取り除きます。この工程が洗米(せんまい)です。

洗米後は白米をただちに浸漬(しんせき)タンクに移して新しい水を加え、水に漬けて吸水させます(これを浸漬という)。浸漬時間は米の種類、性質、使用目的によって異なります。

一定時間浸漬した後、浸漬タンクから水を排出し、水切りをします。

浸漬タンク

蒸きょう・放冷

水分を含んだ白米を蒸気で蒸す操作が蒸きょう(じょうきょう)です。蒸すことで米粒内のデンプン組織が壊れて麹菌の繁殖が容易になり、また酵素の作用を受けやすく、溶けやすくなります。同時に白米の殺菌も兼ねています。

蒸米(むしまい)の良否は以後の工程、ひいては酒質に大きな影響を与えるため、さばけの良い(粘り気や糊気のないさらっとした)、外硬内軟の良い蒸米に仕上げることが大切です。

蒸し上げられた米は、麹用、酒母用、掛米(かけまい:直接もろみに使われる米)用と、それぞれの使用目的に応じた温度にまで冷まされます(放冷(ほうれい))。昔はむしろ等に広げ外気で自然冷却したものですが、現在ではベルトコンベア式の蒸米放冷機が広く用いられています。

蒸米放冷機