第7巻 日本酒の歴史(後)

昭和後期の酒

昭和30年代には「トリスバー」の名前でウイスキーを飲ませる酒場が生まれ、ウイスキーをはじめとする洋酒が急成長し、戦後急拡大していた清酒の伸びが衰え始めました。
しかし40年代の後半、日本酒の品質が見直され、また消費者運動の高まりから清酒の内容表示が要求され、「本醸造酒」「純米酒」等が積極的に造られるようになりました。
また酒造米の割当制度も廃止され、ワインタイプやガス入り清酒等、様々なタイプの酒が現れました。

昭和40年代後半をピークに、50年代以降ウイスキー・ビール・ワイン・焼酎等に押されて、清酒の消費は減少していますが、清酒メーカー各社は、品質の向上や容器の多様化を図り、また生酒・吟醸酒などバラエティに富んだ製品をそろえ、今後の飛躍を図っています。

なお、平成4年4月より清酒の級別制度が完全に廃止されました。