第4巻 唎酒

唎酒の手順

1)猪口にお酒を満たし、真上から「色」「濁り」をチェック

市販酒などは着色が少なく、濁りのないものが良いとされていますので、あまり色の濃いもの、濁りのあるものは書き留めておきます。

2)猪口に鼻を近づけ香りをかぎます

この時に感じる香りは「上立香(うわだちか)」または「はな」と言います。吟醸酒のフルーティな香り、樽酒の杉の木の香り等です。
次に強く香りを吸い込み、もう少し重い香りを確かめます。

3)小さな盃程度の量(数ml)のお酒を口に含みます

口の中でお酒を広げると体温で温まり、口の中が香りで一杯になります。その香りを鼻から息を吐き出しながらかぎ取ります。この時息を吸い込みながら口中のお酒を混ぜ合わせ、香りを強く出すこともあり(バブリング)、この時に感じる香りを「含み香」(「口中香」「引込み香」)と言います。お酒の香りの全てがこの方法で分かります。

4)味を見るため口の中のお酒を舌の前後・左右に広げます

甘い・辛い・酸っぱい・苦い・渋い等お酒の五味の強弱、バランスをチェックします。

5)お酒を飲み込み、「のどごし」の良し悪しをチェックします※

しばらくすると「後味」即ち、苦み、渋みが残らないか、いつまでも甘みを感じないでスッキリしているか等が分かります。
以上、色・濁り・はな・含み香・味・のどごし・後味の7点をチェックして終了します。

  • ※但し、普通は5)で飲み込まず吐器(はき)に捨てます。唎酒サンプルの多い場合、飲み込むと酔っぱらってしまい、正確な判断ができなくなってしまうからです。