日本酒なんでもFAQ

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酒造り唄についてきかせて下さい

櫂入れなどの酒造作業の際、その時々の状況に適した作業時間の目安をつけるために幾節もある作業歌を歌いつつ作業を行い、責任者はその何節を歌うかによって作業時間を計ったそうです。作業歌は調子を合わせたりまた繰り返しの作業の単調さを救う意義も存在します。機械化の進んだ今日では、実際の作業の場合に歌われることはありませんが、蔵の内外の祝い事その他の行事に際してはよく歌われています。
酒造り唄には次の唄が代表的です。

1.秋洗い唄(この歌に限り、作業者各自自由に歌う)
2.すり唄
3.極き唄
4.風呂上がり唄(前唄)
5.風呂上がり唄(後唄)
6.仕舞唄

秋洗い唄

寒や北風 六甲颪
灘の本場で 桶洗い
桶の洗いは 造りのはじめ
男心で 浄めます
白いお米を 男の意気で
洗い浄めて 蒸し上げる
洗い浄めて 蒸し上げまして
造りかもする 灘の酒
丹波杜氏は 見上げたものよ
酒も造れば 身も造る

すり唄

目出度目出度の若松様よ
枝が栄えて葉も茂る
目出度目出度が重なる時は
鶴が御門に巣をかける
鶴が御門巣をかけますりゃ
亀がお庭で舞をまう
亀はお庭でなんと言うて遊ぶ
菊正ご繁盛と言うて遊ぶ

もと掻きうた

夜中起きして モト掻くときは
親のうちでの 事おもう
親のうちでの 朝寝のばちで
今は初夜起き 夜中起き
ねむいねむたい こうねむとては
永の冬中が つとまりょか

風呂上がり唄(前唄)

いつもご嘉例の お風呂の上がり
いつも心が なごやかに
酒に酔うた酔うた 五勺の酒に
一合飲んだら 由良之助
一合飲むとこ 五勺ときめて
所帯する気に なりなされ
世帯するのか わしのよなものと
わしもお前さんの よな人と
何とここらで ちょっこりしてやろか
馬のまねして 金かまそ

風呂上がり唄(後唄)(三本櫂)

しゃんしゃんこ 馬に鈴さげ
春はござれよ 伊勢さまへ
参り着きゃ 本社が二社で
どちら本社と おがむやら
本社知れたら 何と云うておがむ
とかく殿さが まめなよに
磯によりたら ご大社の浜で
船は身を入れて 押せ船頭
船は身を入れて 押せ漕げ船頭
押せば港へ 近くよる
近くよったら その間に仕舞て
仕舞うて飲ましょぞ 長酒を
何と長酒 待ちかねました
これが仕上げか おめでたい
よい よい よい

仕舞唄(留仕込二番櫂)

お日はちらり 山端にかかる
わしの仕事は 小山ほど
わしの仕事は 小山ほどあれど
もはやお日さんは くれかかる