日本酒なんでもFAQ

お酒のプロが答える日本酒なんでもFAQです。
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びんの色は何のためについているのですか

光(紫外線)による着色などの変化を防ぐためです。

びん詰したお酒はどれくらい日保ちしますか

びん詰後1年を目安にして下さい。ただし、未開栓で冷暗所に保管した場合です。

びん詰とパック詰ではどちらが日保ちしますか

同じ条件で保管した場合、パックはお酒に光が入りにくいため、びん詰より有利です。

びん詰・パック詰されたお酒の保管方法を教えて下さい

日本酒は温度が高くなると熟成が進み、光が当ると着色や香りの変化が起こります。したがって、20℃以下の光の当らない場所に保管して下さい。

容器に詰められたお酒はどのように変化していきますか

保管温度×時間の関係で熟成が進み、着色は光と時間の関係で進みます。冷暗所で保管した場合、徐々に熟成香(老香)があらわれ、色がついていきます。

パック詰商品の特徴と利点を教えて下さい

光を通さず、1.8L容器でも冷蔵庫に収納でき保管性に優れています。
びんより重量が軽いため持ち帰りが楽です。
空いた容器を小さくたためるので便利です。

直射日光が当るところに置かれたお酒はどうなりますか

濃く着色(黄褐色)し、「びん香」または「けもの臭」「日光臭」と呼ばれる不快な香りがつきます。

お酒の貯蔵期間と味の変化について教えて下さい

日本酒はびん詰された後でも時間とともに物理的、化学的な変化が徐々に進んで、色が濃くなり、香り、味が変わっていきます。
このような変化は温度が高いほど、また光や、空気(酸素)に触れるほど速く進んでいきます。主な変化としては清酒中のアミノ酸が糖と反応してメラノイジンがつくり出され老酒(紹興酒)のような色、味、香りに変わっていきます。

お酒も他の食品のように腐敗するのですか

腐敗しません。アルコール濃度が15%程度ある環境下では一般の細菌は生育できないからです。しかし、乳酸菌の一種である「火落菌」は、アルコール耐性が強く清酒中に増殖します。そうなるとお酒は白濁し、酸っぱくなり「火落ち香」と呼ばれる特有の香りがつきます。

「白ボケ」とはどのようなことですか

白ボケとは、日本酒に溶解している酵素蛋白粒子が変性し、そのものが成長して白くにごることをいいます(火落ちと違って全体的にうすくぼやける状態となります)。原因は、麹の中の糖化酵素(アミラーゼ)にあります。糖化酵素は火入れによって変性を受けて大きな粒子となり、その後温度が急速に低下した場合に起ることが多くみられます。
現在は、びん詰前におり下げ濾過を実施して白ボケの原因となる物質(蛋白系統)をとり除いてあるので、白ボケの心配はほとんどありません。

開栓したお酒の保管はどのようにすれば良いですか

開栓後は空気に触れることで熟成、着色の速度が速くなります。空気に触れる面積が小さくなるよう小さな容器に移し替え、冷蔵庫で保管すれば風味が損なわれにくくなります。できるだけ早く飲みきって下さい。

古くなったお酒や「燗ざまし」のお酒の利用法は

古くなった日本酒、または燗ざまし(飲用に燗をして飲み残した酒)は、捨てずに料理の調味用に、酒塩(さかしお)に使用されることをおすすめします。また、盆栽の肥料としても有効です。

お酒が古くなると酢になるというのは本当ですか

びん詰された日本酒は未開栓のままでは、酒質は徐々に変化してはいきますが「酢になる」、「酸っぱくなる」ことは、決してありません。開栓後は、火落菌という乳酸菌が混入することで、香りが悪くなり、酸っぱくなることもあります。ごくまれには、酢酸菌という「酢」を造り出す微生物が混入、増殖し、「酢」が造られることも、ない、とは言いきれません。